(420)炉火あかり棚に眠らす熊の鈴/浅井民子(1945年~)
しんしんとした寒さに包まれていくと、恋しくなるのは暖房の明かりです。炉火とは囲炉裏(いろり)の火のことを言うようですが、暖炉やストーブなど、暖を取る炎を想像してもあながち間違いではないでしょう。棚には熊避(よ)けの鈴が置いてあります。山歩きが楽しい秋は、熊が山々の実りに活動的な時期です。鈴は双方が…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。