(422)旅に病で夢は枯野(かれの)をかけ廻(めぐ)る/松尾芭蕉(1644~1694年)
旧暦10月12日(今年は今日)は芭蕉の命日。その4日前に詠まれた遺作である。弟子の各務支考(かがみしこう)に「なをかけ廻る夢心」とどちらが良いか尋ねたそうだが、支考は成案で結構と答えた。「なをかけ廻る夢心」だと、中七に季がない。別案の場合、上五にどんな季の詞(ことば)を入れるつもりだったのだろう。…
関連リンク
- ・(421)人間を乗り継いでゆく神の旅/堀田季何(1975年~)
- ・(420)炉火あかり棚に眠らす熊の鈴/浅井民子(1945年~)
- ・(419)吊し柿風慣れの行はじまりぬ/中原道夫(1951年~)
- ・(418)秋の雲子供の上を行く途中/岸本尚毅(1961年~)
- ・(417)鰯雲どのビルも水ゆきわたり/中村安伸(1971年~)