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山岳遭難の85歳はなぜ97時間後に助かったか〈迷い道編〉 「俺はプロだ」、自信があだ

 仙台市青葉区芋沢の山中で遭難した85歳の男性が4日間、飲まず食わずで生き延びた。慣れ親しんだ自宅近くでなぜ道に迷い、どのように過ごしたのか。97時間の「神隠し」を本人に振り返ってもらった。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

「きつねに化かされたような感覚」

 「きつねに化かされたような感覚なんだよなあ」。青葉区芋沢の無職佐藤一栄さん(85)が小首をかしげる。発見救助されて約1カ月。直後は衰弱が見られたが、2週間の入院を経て、体調に問題はないという。

 事の始まりは9月27日朝。「キノコ採りにいこうと、ふと思い立った」。持ち物は大きな背負い籠だけ。食べ物や飲み物は持たなかった。妻栄子さん(84)は胸騒ぎを覚えた。「行くな」。背中に声を…

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