(424)徳利(とっくり)の首は人肌小夜時雨(さよしぐれ)/木暮陶句郎(1961年~)
日本酒は加温して楽しめる、世界でも珍しい酒。酒を温めることを「燗(かん)をつける」と言うが、日向燗、人肌燗、ぬる燗、上燗、熱燗、飛び切り燗とある。人肌燗は35度くらいで、ほんのり温かさを感じ、味にふくらみと良い香りがする。と言って酒に詳しいわけではない。この句に魅(ひ)かれて試してみたのである。作…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。