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ギョーザは何人前食べるのが良いの? 宇都宮の定番「ダブル・スイ」理にかなっていた

宇都宮みんみんの焼きギョーザ2人前、水ギョーザ1人前の「ダブル・スイ」

 「ギョーザの1人前はどうやって決まっているのか」「専門店でギョーザだけを食べるなら何人前が栄養的に適正なのか-」。下野新聞「あなた発 とちぎ特命取材班」にこんな声が寄せられた。宇都宮餃子(ぎょーざ)関係者や食生活学の専門家を取材すると、宮っ子は理にかなった食べ方をしていることが分かった。

宇都宮餃子会の鈴木章弘事務局長

 まずはギョーザの歴史に詳しい宇都宮餃子会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(50)を訪ねた。鈴木さんは「宇都宮餃子の成り立ちには諸説ある」と前置きした上で、宇都宮の専門店ではギョーザだけを食べることが多い理由を解説してくれた。

 「宇都宮に本拠があった陸軍第14師団は旧満州に派兵され、ギョーザの作り方を学んで帰ってきた人が多い。ギョーザだけを食べる現地の食べ方も持って帰ったのだろう」と鈴木さん。市外では中華料理店のメニューの一つとしてギョーザが定着したため、ラーメンや白飯と食べることが一般的になったと推察した。

 宇都宮餃子会の加盟店における1人前の量に取り決めはないという。2口程度で食べられる大きさで、6個を1人前とする店が多いそうだ。

「ギョーザのみを食べるらな3人前が適量」と話す大森教授

 ではギョーザ専門店でギョーザのみを食べる場合、何人前が適正なのか。食生活学を研究している宇都宮大の大森玲子(おおもりれいこ)教授(51)に話を聞いた。

 老舗店「宇都宮みんみん」がホームページ上で公開している成分表を基に、大森教授に栄養計算をしてもらった。ギョーザを主食として捉えた場合、一般的な成人で3人前が1食として適正量だという。

 カロリーに占めるタンパク質、脂質、炭水化物の割合である「PFCバランス」の観点から見ると、宮っ子定番の焼きギョーザ2人前、水ギョーザ1人前の「ダブル・スイ」が優れているそう。「『ダブル・スイ』という食べ方は栄養面からも理にかなっている。初めて計算してみたが面白い結果だ」。活動量が多い人はライスを付けても良いという。ギョーザを主菜として他の物も食べる場合は、1食当たり1人前が適切な量だそうだ。

 最後に「宇都宮みんみん」本店(宇都宮市馬場通り4丁目)を訪れた。昼食として「ダブル・スイ」を注文したが、十分満足できる量だった。男性店長(44)は「2人前くらい召し上がる方が多い。『1人前』というのは、それで食事が完結するという意味ではなく、焼き、水、揚げといったギョーザとライスなどを組み合わせてもらうための一つの目安」と教えてくれた。

 あなたは何人前食べますか?
(下野新聞)

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