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(440)冬青空一角切って胸に貼る/高野ムツオ(1947年~)

 雲のない青空の日などは空気がぴりりと澄んで、肺の中まで清められるような気がする。河北俳壇初代選者の阿部みどり女には(春の句だが)<海つばめ日の出に肺を清めたり>の句もある。掲句は自身の癌(がん)を詠んだ一連から。気持ちの張りを感じさせる作である。気管支を広げる医療用テープのように冬青空を捉えている…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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