(446)セーターを脱いで火花の女なり/珠凪夕波(1992年~)
「火花の男」だとなんか変。男なら「炎の男」かな。「火花の女」だからただの静電気にいろいろな想像ができてしまう。日本語の「男」「女」の観念に含まれるバイアスなのだが、詩歌はそういうものを逆手に取ることもある。ドラマなどでは、お化粧が服に付かないようにといった理由だろうか、女の人は男の私のように襟から…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。