(450)寒鴉人智を越えて人里に/和田悟朗(1923~2015年)
カラスは一年中見る鳥ですが、冬により多く見かけるといいます。子どもが成長して数が増え、人里へ食べ物を探しに来るためです。ねぐらは人と離れた森や山にあるので日中に飛んで来るのでしょう。葉のない冬木の枝に黒々としたカラスが止まっているのを見ると、荒涼とした冬の風景がより際立ちます。この風情こそ「寒鴉(…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。