(451)大戦起るこの日のために獄をたまわる/橋本夢道(1903~1974年)
作者は自由律の俳人で、1941年に新興俳句弾圧事件で逮捕され2年余拘留された。掲句は、獄中で米英への宣戦布告を知った日の作。俳句を詠んだだけの自分がなぜ獄にいるのか。この戦争のためだったのかと無念と憤怒の思いである。ひらがなで書く「たまわる」は皮肉だ。夢道は、農民や労働者の厳しい現実を詠むプロレタ…
関連リンク
- ・(450)寒鴉人智を越えて人里に/和田悟朗(1923~2015年)
- ・(449)枯芒船とは別に揺れゐたり/小山玄紀(1997年~)
- ・(448)駅の名を見る狩人が降りてより/能村研三(1949年~)
- ・(447)去年今年開きつぱなしの鼻と耳/堤保徳(1939年~)
- ・(446)セーターを脱いで火花の女なり/珠凪夕波(1992年~)