(452)太陽の塔は泣かない日短/田邉恭子(1996年~)
数年前、「コップのフチの太陽の塔」というカプセルトイが好きで集めていた。コップのフチに引っかかるように太陽の塔がさまざまなポーズを取っているという代物。思い返してみると、悲しげな表情に見える太陽の塔はなかった。そう、太陽の塔は泣かない。「日短」は冬の昼が短いことを言うが、日が短くたって太陽の塔は泣…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。