(457)壮行や深雪に犬のみ腰をおとし/中村草田男(1901~1983年)
壮行は、戦争に行く兵士たちを送り出すこと。幟(のぼり)旗を立て、国旗を振り、軍歌を歌い、万歳の声が飛んだという。心では泣きながら万歳をした家族もいただろう。戦時、日本各地で見られた軍国主義の熱気の中、一匹の犬が雪の中それを見ている。この句を巡り、戦後に「草田男の犬」論争が起こった。戦争否定の句と評…
関連リンク
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- ・(453)冬眠の蝮(まむし)のほかは寝息なし/金子兜太(1919~2018年)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。