(458)鮟鱇の顔に喰ひ付く親爺哉/阪本四方太(1873~1917年)
アンコウは身体が平たく、背中にトゲがあり、口が大きい。ナマズをもっと獰猛(どうもう)にしたような物凄(ものすご)い顔をしている。そのアンコウに食い付くオヤジの貌(かお)も、まるでニンゲンとは別のオヤジという生物であるかのような、物凄い勇ましさなのだろう。滑稽味を湛(たた)えた珍風景というべきか。作…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。