(460)榾(ほだ)の火の親方に跳ね笑へ笑へ/谷口智行(1958年~)
「榾」は木の枝や乾燥させた木の根株のことで冬の季語。囲炉裏(いろり)や焚火(たきび)の燃料になる。作者の自註(じちゅう)に「石切(いしきり)場の飯場。作業員が缶焚火をしており、跳ね火が親方を襲う。一同大爆笑」とある。こんなことが俳句になるのだと驚くが、笑い合えるような作業員と親方の関係性も生き生き…
関連リンク
- ・(459)冬銀河長湯の夫を忘れけり/長岡悦子(1941年~)
- ・(458)鮟鱇の顔に喰ひ付く親爺哉/阪本四方太(1873~1917年)
- ・(457)壮行や深雪に犬のみ腰をおとし/中村草田男(1901~1983年)
- ・(456)海に雪心にルビをふるごとく/髙橋健文(1951年~)
- ・(455)トナカイの寒夜 街ごと灰となる/小田島渚(1973年~)