(463)風呂吹(ふろふき)の一きれづゝや四十人/正岡子規(1867~1902年)
この句には「蕪村忌 集る者四十餘(よ)人」の前書きがある。子規は蕪村を高く評価し、蕪村の忌日に句会を催した。これには蕪(かぶ)の風呂吹を振る舞うのが恒例だったが、第3回は何と46人が参集し、狭い子規庵(あん)が人であふれた。「一きれづゝ」の後の切れ字「や」に、一人一人を大切に想(おも)う気持ちも込…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。