<記憶の素描(15)芥川賞作家・石沢麻依>火の色をしたもの
3年ぶり、という言葉が影の中からこぼれてくる。一度のみならず幾度も、火の粉が弾けるように、その響きは通り過ぎる私の耳をかすめた。黒くざわめく人影の間から、小さな白い雲が笑い声と共に飛び出すが、すぐに柔らかな雪の欠片(かけら)に紛れ込んでしまう。黒い緞帳(どんちょう)めいた夜の中、待ち合わせ人を探し…
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関連リンク
- ・<記憶の素描(14)芥川賞作家・石沢麻依>中庭の踊り手
- ・<記憶の素描(13)芥川賞作家・石沢麻依>人形の居る街
- ・「記憶の素描」(12)香りの色彩画-石沢麻依(芥川賞作家)
- ・「記憶の素描」(11)遠い海に浮かぶ影-石沢麻依(芥川賞作家)
- ・「記憶の素描」(10)洪水ワイン-石沢麻依(芥川賞作家)
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