休校で給食の食材どうなる? 廃棄や納品中止、学校ごとに違い 静岡
中日新聞のユースク取材班に「休校で給食がなくなった場合、使わなかった食材はどうなるの?」との質問が寄せられた。静岡県内でも新型コロナウイルスの感染拡大や、台風の被害で小中学校の休校が相次いだ。その際の食材はどうなるのか、関係機関に聞いた。
投稿したのは浜松市南区のパート従業員女性(46)。大雨で休校になった昨年5月27日と7月8日、小学4年の息子と「きょうは給食食べられないね」と話した際、食材の行方が気になったという。
市教委健康安全課によると、対応は各校や給食センターによって異なる。雄踏地区の小中学校に提供する雄踏給食センターでは、基本的に消費期限が近い生鮮食品などは廃棄し、長持ちする冷凍食品などは別の日に回している。最近では前日までに学校から休校が通知され、食材業者からの納品を中止するケースも増えている。担当者は「学級閉鎖時も他のクラスに多めに配るので、廃棄はほとんどない」と説明する。
一方、学校に給食室がある場合は、廃棄が出ることも。同課の担当者は「保護者には廃棄する場合があると案内しているが、他の形で食材を使う許可をもらっていないので、フードバンクへの寄付などはしにくい」と話す。
文科省、子ども食堂などへの寄付呼び掛け
文部科学省は昨年2月、全国の都道府県教委に出した事務連絡で、使わなかった食材を子ども食堂や保育所などに寄付するように呼び掛け、先進的な自治体の取り組みを紹介した。紹介された一つ、千葉県流山市は2020年4月、市の予算で確保していた食材をフードバンクを通して病院や放課後児童クラブに寄付した。新型コロナ第1波による休校が約1カ月に及び、保護者から給食費を徴収していなかったためにできた措置で、現在は市内の他校に融通したり、廃棄したりしているという。
文科省の担当者は「食材を安定的に調達することも重要で、急な休校時に廃棄が出るのはやむを得ない」と指摘。その上で「長期休校の場合は施設に寄付するなどし、短期の場合は廃棄分を飼料や堆肥にするなどそれぞれにあった対策が必要になる」と強調する。
同省は各自治体の成功例や課題をまとめ、事例集として出す方針。投稿した女性は「フードバンクなどに寄付するかどうかは、連絡網などで保護者に意思確認できる。廃棄を減らす方法をみんなで考えていきたい」と願う。(中日新聞東海本社・東田茉莉瑛)
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