(484)手から手へ渡す小銭や冬ぬくし/恩田侑布子(1956年~)
親の手から受け取った小銭を握りしめ、駄菓子屋に走る。棚のお菓子を品定めし、店主に小銭を手渡して交換する。数十円であっても、こんな幼い頃の気持ちの高ぶりを多くの人が覚えているだろう。しかし、このように人と人が直接小銭をやりとりする光景は、一昔前に比べだいぶ少なくなった。電子マネーの普及、コロナ禍、人…
関連リンク
- ・(483)立ち帰るわが定点の冬木かな/安西篤(1932年~)
- ・(482)どんど場をだるまの赤の燃え残る/武元気(2003年~)
- ・(481)冬木の枝しだいに細し終に無し/正木浩一(1942~1992年)
- ・(480)たましいはただならぬもの虎落笛/蝦名石蔵(1949年~)
- ・(479)寒波くるひゅーるひゅるっとやかん鳴る/利部瑠南(2004年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。