(485)まなざしは久遠の彼方寒昴/安藤清峰(1904~1983年)
谷村新司の「昴(すばる)」は<凩(こがらし)は吠(な)き続ける>とあり、木枯(こがらし)は初冬に吹く風だから、あの歌は11月ごろ。掲句の寒昴はもっと寒い今頃、澄んだ空気の中の星の潤みまで想像される。ただ、身も蓋(ふた)もないことを言うと、プレヤデス星団は約440光年の先。ウン万年を相手にする地質学…
関連リンク
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- ・(481)冬木の枝しだいに細し終に無し/正木浩一(1942~1992年)
- ・(480)たましいはただならぬもの虎落笛/蝦名石蔵(1949年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。