(487)まだもののかたちに雪の積もりをり/片山由美子(1952年~)
降り出した雪が積もっていく経過を詠んでいる。公園の遊具やポスト、墓に積もった雪かもしれない。「ものの」と何かを特定していないことが、読み手にそれぞれの雪の思い出を描かせる。そして「まだ」という言葉は、これからさらに降り続き、雪が「もののかたち」をなくしてゆくことを暗示する。ゆったりとした調べの中に…
関連リンク
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