(488)寒中の毛衣磨れば火の走る/大須賀乙字(1881~1920年)
「毛衣」は毛皮製の防寒具。今日では毛衣ではなくて革ジャンだろうか。昔は、橇(そり)の御者や炭焼き、猟師など、寒気に触れる職業の人に一般的だった。そういえば山賊が着ているイメージもある。この句、毛皮が何の毛皮かはさておき、寒中の乾燥した空気の中、毛衣が摩擦のために火花を散らす。猟師がけものを追ううち…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。
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