(490)よく枯れてたのしき音をたてにけり/高田正子(1959年~)
音を楽しむと書いて音楽。人類の音楽のルーツについての知識は持ち合わせていないが、掲句を読むと原始の音に想(おも)いを馳(は)せたくなる。北風に吹かれて枯葉(かれは)と枯葉が擦れる、また枯木(かれき)の枝と枝がぶつかる。カサカサ、カランカラン…、よく枯れるほどに、乾いた植物は「たのしき音」を奏でる。…
関連リンク
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