(494)心棒を蔵して冬の一木なり/渡辺誠一郎(1950年~)
心棒は車輪の回転軸などを言うが、比喩としては活動の中心となるものも指す。もうすぐ立春だが、葉っぱを落として寒々とした冬の樹木も、内なるエネルギーをその心棒として蓄えている。やがて芽吹きの時を迎えるために。冬木というとさびしげな先入観ばかりが付きまとうが、実はそうではない、という断定が痛快。そうじゃ…
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