(495)咳をしても一人/尾崎放哉(1885~1926年)
俳句は五七五の定型と季語がよく知られていますが、その形式にとらわれないものもあります。自由律俳句は音数において定型から解放されました。この句はその中でも短く、端的です。同じ作者の同様のリズムに<墓のうらに廻(まわ)る>という句がありますが、最大の違いは冬の季語である「咳(せき)」があることでしょう…
関連リンク
- ・(494)心棒を蔵して冬の一木なり/渡辺誠一郎(1950年~)
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- ・(491)風鳴りの鉱山跡地冬夕焼/鈴木綾乃(2005年~)
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