(501)落日を得たる枯木の華やぎぬ/大石香代子(1955年~)
寒風の吹きくる冬も太陽は赤々と沈んでいきます。淡い夕日の光は辺り一帯を照らしていくでしょう。その光の中に枝だけになった木々が立ち並んでいるところを想像しました。花や葉のある頃には賑(にぎ)やかだった木も、葉を落として枯木(かれき)となると寂しいものです。しかし、落日の逆光の中に浮かび上がる立木(た…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。