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石巻に演劇の風 キネマティカ、短編プログラムを初企画 仙台からもファン

「トリコルド」を上演する東京の劇団キコ/qui-co.。シアターキネマティカのホールが演劇空間に変わった

 東京から劇団を招いた短編演劇プログラム「FISH BOOK(フィッシュブック)」が、1月21日から2週にわたって石巻市中央1丁目のシアターキネマティカホールで行われた。仙台からも演劇ファンが詰めかけるなど街中に新しい演劇の風を起こした。

 キネマティカを運営する石巻劇場芸術協会が昨夏のオープン後、初めて本格的に企画した演劇イベント。21、22日のfeblabo(フェブラボ)に続いて、29日は「キコ/qui-co.」が出演した。

 キコが昼と夜の2回上演した「トリコルド」は俳優3人の芝居で、テンポの良い会話から生みだされる男女の物語が観客を引き込んだ。椅子とテーブルだけのセットによる約1時間10分という短い上演時間で、40人も入ればいっぱいの「小さな劇場」に濃密な演劇空間を立ち上げた。間近で見る芝居のだいご味を届けた。

 客席には仙台市から駆けつけた演劇人も目立った。その一人で、いしのまき演劇祭に参加したことがある横山真さん(40)は「百花亜希さんが出演すると知って飛んできた。こんなすてきな芝居小屋が街中にできて石巻の演劇人の熱さに刺激を受けた」と感激。

 出演後、ファンと交流を深めていた百花さんは「私は神戸生まれで石巻の人たちと同じように震災を体験している。石巻は初めてだったが、歩いてみてアートの街という雰囲気が伝わってきた。そんな街づくりに芝居でお役に立ちたい、お手伝いしたい」と語った。

 石巻劇場芸術協会の矢口龍太さん(40)は「演劇の良さを知っていただける機会になった。これからもこの場所ならではの演劇プログラムをやっていきたい」と意を強くした。

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