顔にすす、安寧願う 石巻・長面で「アンバサン」
石巻市長面地区に300年以上前から伝わる市指定無形民俗文化財の奇祭「アンバサン」が5日、地区内の北野神社末社の大杉神社であり、参加者は今年一年の無病息災や除災招福、大漁豊作などを願った。
東日本大震災で被災し、移転を余儀なくされた元住民らを含む約30人が参加。高橋範英宮司が祝詞を上げ、玉串をささげた氏子や参加者の額にすすを塗った輪切りの大根をこすりつけた。住民同士でもこすりつけるおなじみの光景も。中には3カ所のすすが付いた人もいて、笑みがこぼれた。
神社の高台から長面地区の集落跡の方向に向け、太鼓の音色に合わせた唱え言葉も披露。「悪魔を祓(はら)うてヨーヤナ ヨーヤ ヨーヤ ヨーナヤ」「大漁大漁大漁ダー 満作満作満作ダー」と元気な声を響かせた。
長面出身の父親を車内に残し、代わりに初めて参加した石巻市山下1丁目の主婦後藤浩子さん(53)は「縁起物のヘソビ大根守も購入した。御利益がありそうで、今年は家族全員が健康でいられる気がする」と笑顔で話した。
総代の永沼梅夫さん(72)は「参加者は昨年よりも多く、晴れて良かった」と語った。
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