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グリーンインフラ大賞、防災・減災部門「平地の杜づくり」が最高賞 石巻・北上

平地の杜づくりが進む長塩谷地区(ウィーアーワン北上提供)
受賞を報告する佐藤代表(右)ら

 東日本大震災で被災した石巻市北上町長塩谷地区の移転元地で住民らが進めるプロジェクト「平地の杜づくり」が、第3回グリーンインフラ大賞の防災・減災部門で最高賞の国土交通大臣賞に選ばれた。住民たちの手でできる活動で幅広い世代や地域内外の支援者を巻き込んでいる点が評価された。

 平地の杜づくりは津波で荒廃した集落跡地を持続性のある里山に戻そうと、2021年9月に始動。防災集団移転促進事業で市が買い上げた移転元地約1万平方メートルを借り受け、土壌を改善しながらコナラやクヌギなど多品種を植えている。

 植樹のワークショップには全国のボランティアが参加し、地元の高齢者らとも交流する。里山の整備で水害対策などの防災効果を見込める。災害危険区域に指定された移転元地の活用は被災地共通の課題で、他地域への展開も期待される。

 プロジェクトを進める一般社団法人ウィーアーワン北上の佐藤尚美代表(49)と住民ら4人が5日、市役所を訪れ、斎藤正美市長に受賞を報告した。斎藤市長は「ポスト復興の地域課題に全国各地から足を運んでくれる協力者と取り組んだ好事例として評価された」とたたえた。

 佐藤代表は「うれしいと同時に活動を継続させていく責任も感じた。ボランティアや企業サポーターを募りながら活動を少しずつ広げていきたい」と語った。

 大賞は官民連携組織が主催。自然環境が持つ機能を社会課題の解決に生かす「グリーンインフラ」の事例を表彰する。本年度は全国から41件の応募があり、防災・減災、生態系保全など4部門でそれぞれ国土交通大臣賞が選ばれた。

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