「新しい女川」の魅力探る 写真作家や歌人ら、風景テーマにシンポ
東日本大震災後に再生した女川町の風景をテーマに議論するシンポジウム「『新しい女川』の風景」(三陸河北新報社主催、東北電力協賛)が11日、同町まちなか交流館ホールで開かれた。パネリスト3人が独自の視点で町の魅力や未来への希望、課題などについて意見を交わした。
90人が参加。須田善明町長、町出身の写真作家で日大芸術学部写真学科准教授の鈴木麻弓さん、町内在住の歌人逢坂みずきさんがパネリストを務めた。それぞれが講演で震災前後を振り返り、思い出の一枚を紹介した。
町内で写真館を営んでいた両親を津波で亡くした鈴木さんは「記憶に残っている女川は隣近所全てが自分の家のようだった。今は時代背景もあり、その文化がなくなる場所が多いが、町には今もその雰囲気があって素晴らしい」と話した。
家業の水産業を手伝いながら創作活動を続ける逢坂さんは「震災から数年間は被災前の暮らしへの未練が出ていた」と述懐。「今の暮らしに慣れると戻りたいより、また何かを失うことはしたくないという思いが強い」と述べた。
まちづくりを絡めて講演した須田町長は「景色は前向きに何とか良くしようとしてきたことの積み重ねで、今あるもの、新しくできたものをなじむものにしていくことが必要。町民が声を上げ、行動を起こせる場も設けたい」と語った。
シンポは三陸河北新報社が写真集「新百景 石巻・東松島・女川 再生の歩み」発行をきっかけに企画した。
(詳報を後日、掲載します)
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