地域と学校、顔の見える関係づくり進む 東松島・矢本二中と学区内3小
学校を核に地域と連携・協働し子どもを育てる機運が醸成されている東松島市で、矢本二中(生徒343人)と学区内の小学校が民生児童委員と顔の見える関係づくりを進めている。2月7日には二中学区として情報交換会を開催、学習や生活の様子について情報を共有した。3年生(122人)は連名で自分の地区を担当する委員に「卒業後も見守ってください」と感謝の手紙を贈った。
義務教育9年間を見通した指導の充実で市教委が目指す15歳像は「故郷に誇りと愛情を持ち、志高く、協働して未来を切り開く人」。各校は小中連携の取り組みやコミュニティ・スクール(CS、学校運営協議会制度)を通じた地域との連携・交流で郷土愛や生きる力、豊かな人間性を育む。
矢本二中は、子どもが元気に安心して暮らせるよう、地域で活動する民生児童委員と協力関係を築く。本年度はこれまで同校単独で行っていた情報交換会を大曲、赤井、赤井南の各小も加わる二中学区として昨年7月に開催。2回目の今回は各小教頭、学区内の民生児童委員と主任児童委員は約20人が出席した。
各校が子どもの様子や学校の近況などを報告。小学校からは登下校の見守りに感謝し、安全に配慮した生活が送られるよう協力を求めた。矢本二中は「不登校を生まない指導が喫緊の課題」と説明した。
小学校区ごとに危険な場所(たまり場)や気になる家庭(児童生徒)、学校に知ってほしいこと、心配なことについて情報交換し、意見を出してもらった。
黒沼俊郎校長は「学校は地域に浮かぶ船。普段からのつながりの中で子どもたちを健やかに育てていく」と話した。
委員を代表し、千葉春雄さん(74)=市民生委員協議会会長=は「子どもたちが楽しく暮らせるよう悩みを理解し、関係機関につなぐ役割を果たす。学校と連携し地域で子どもを育てることは大切だ」と述べた。
主任児童委員の黒田みえ子さん(68)は「今後、地域と連携して大事な子どもを見守っていく。コロナ禍で子どもはストレスがたまっている。公園で元気に遊ぶ姿を温かい目で見てほしい」と語った。
会に先立ち、3年生を代表して角張芳朋さん(14)と西村真緒さん(15)が「身近にサポートしてくれる地域の応援団と知り、感謝しています」とあいさつし、手紙を千葉さんと黒田さんに手渡した。
地域の未来を担う子どもたちを地域社会で育てていくことは、学校を中核とした地域づくりにもつながる。CS先進地の東松島市で学校運営協議会の活動や、地域と学校の架け橋になる民生児童委員との連携が注目されそうだ。
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