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震災前の思い出探す 「記憶の街」ワークショップ、あすまで 学生ら制作の模型展示 女川

来場者(右)から震災前の暮らしなどを聞く学生ら

 東日本大震災前の女川町の町並みを模型で再現し、住民にかつての古里の情景をたどってもらう「記憶の街ワークショップin女川」が7日、町まちなか交流館で始まった。一般社団法人ふるさとの記憶ラボ(神戸市)と実行委員会の共催。初日は町民をはじめ、石巻市などの近隣住民らが来場し、思い出の場所を探した。9日まで。

 宮城大や神戸大大学院などの学生らが作った1000分の1サイズ(3平方メートル)の模型を展示。河北美術展入賞・入選作家で、震災で亡くなった貝広さん=当時(64)、本名佐々木広=が生前に描いた石浜や宮ケ崎地区などの風景を描いたスケッチ約90点も並ぶ。

 ワークショップは学生が来場者から震災前の暮らしを聞きながら、模型に目印となる旗を立てていく形で進め、制作しながら公開している。訪れた住民らは「この坂道で遊んだ」「山でクルミを拾った」などと思い出話に花を咲かせた。

 宮城大3年の及川和怜(かれん)さん(21)=石巻市桃生町出身=は「被害の大きさが場所によって異なり、感じる気持ちも違っていた。短い期間だが、少しでも昔を懐かしみ交流する場になってほしい」と話した。

 記憶ラボの磯村和樹代表理事(33)も「思い出を話すことで学生への伝承になる。ぜひ足を運んでほしい」と呼びかけた。

 模型の公開は午前9時半~午後8時。入場無料。

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