(530)砂丘越え一瞬にして海の蝶/矢吹湖光(生年不詳)
砂垣の辺りを漂っていた蝶(ちょう)がすっと越え、海へ高く去る。一瞬にして海の蝶、だ。仏教では極楽浄土に魂を運ぶ神聖な生き物が蝶だという。死者の魂を宿して舞い上がる蝶。大海はただ尋常にそこにある。大津波以前、豊かな生態系を持っていた仙台湾の砂浜の景色が想像される。壁のような大防潮堤はどうにもし難いが…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。