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天国から青い鯉のぼり見て 祈りと鎮魂、和太鼓とどろく 東松島

犠牲者追悼と復興を祈念して演奏するプロジェクトメンバー

 東日本大震災で大きな被害を受けた石巻地方では11日、各地で追悼行事があり、多くの市民らが祈りをささげた。犠牲になった大切な人や懐かしいまちの景色に、それぞれが思いをはせた。

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 東松島市大曲の玉造神社前では、青いこいのぼりを掲げて震災犠牲者を悼む行事があった。各地から贈られた長さ約1メートルのこいのぼり280匹が掲げられ、晴天を泳いだ。

 大曲浜地区で被災した市職員伊藤健人さん(29)が主導する「青い鯉(こい)のぼりプロジェクト」の主催。プロジェクトは伊藤さんが津波の犠牲になった弟が好きだった青いこいのぼりを掲げて供養したのが始まり。

 震災発生時刻に合わせて会場の全員が黙とうをささげ、メンバーが復興の祈りを込めた和太鼓曲「陸奥」を力強く奏でた。演奏後は慰霊祭を執り行い、大曲地区に津波が到達した午後4時10分に合わせ、再び和太鼓の音をとどろかせた。

 会場では涙を拭う人や元気に走り回る子どもの姿が見られた。プロジェクト共同代表の千葉秀さん(57)は「亡くなった方と今生きている方への思いを背負ったこの風景が日常になり、100年後の未来、減災につながってほしい」と話した。

 こいのぼりは5月5日まで掲揚する。

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