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元東北放送アナの藤沢さん、口演に初挑戦 「若宮丸」講談 来月9日・東松島

新講談「若宮丸漂流物語」再々演で口演者を務める藤沢さん(手前)と台本を書いた漂流民の会会長の木村さん=tbcAz内

 江戸時代に日本人で初めて世界一周した石巻若宮丸漂流民を題材にした新講談「若宮丸漂流物語~ふるさとなお遠く」が4月9日午後1時半から東松島市野蒜市民センターで16年ぶりに上演される。石巻若宮丸漂流民の会が主催で、口演者は元tbc東北放送アナウンサー藤沢智子さん(64)=tbcAz(仙台市)代表取締役社長=。藤沢さんの語りで約220年前の若宮丸漂流記がよみがえる。

 作者は石巻市出身で漂流民の会会長木村成忠さん(79)=仙台市=。初演は2006年6月、東松島市室浜の観音寺で行われた。再演は07年9月、石巻市山下町の禅昌寺だった。いずれも石巻市出身の俳優鈴鹿景子さんが語りを務めた。

 木村さんは「漂流から11年かけて帰国した若宮丸の物語を広く市民に知ってほしくて、親しみやすい講談にした」と振り返る。

 今回、藤沢さんに依頼したのは木村会長も東北放送出身だったことから。在職時ディレクターとアナウンサーという立場で一緒に番組を制作したのが縁となった。先輩・後輩による若宮丸講談が実現する。再々演のキーワードは「古里」。

 初めて講談に挑む藤沢さんは「異国でさまよった漂流民にとって古里は何だったのだろうと思う。同時に若宮丸の歴史を知れば、今の古里に対する見方も変わるはず」と話す。

 木村会長は「台本に方言が出てくる。彼女は方言使いのエキスパートでもあるので楽しみ」と期待。加筆もした。「当時の石巻と江戸の関係など時代背景を掘り下げた。若宮丸の歴史への理解が深まれば」と願う。

 藤沢さんは「講談は一つの挑戦。場面を思い描きながら演じたい。若宮丸の持つ物語のスケールを感じていただけたら」と語る。

 上演時間は約1時間。入場無料。予約が必要。観賞希望者は木村会長までファクス=022(229)7034=で申し込む。

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