理科教育推進 石巻小・遠藤教諭に大臣表彰 実験や考察、自分事に
石巻市石巻小の遠藤智弥教諭(47)が、理科教育の推進と教員の指導力向上に貢献したとして、2022年度「文部科学大臣優秀教職員表彰」を受賞した。24日、宍戸健悦教育長から伝達された賞状を手に斎藤正美市長に報告した。子どもの思考力を高める授業を展開し、同校の本年度全国学力テストの理科の結果は全国平均の数値より10ポイント以上高かった。
遠藤教諭は石巻市出身。宮城教育大卒(理科専攻)。同市の山下小、釜小に勤務し、10年在籍する石巻小で5、6年生に理科を専科で教えている。
児童の主体性を引き出し、自分で問題解決するような授業を実践する。不思議な現象を見せたり、自然の事象に関する質問をしたりして自分の言葉で問題を設定させ、実験の方法はできる限り子どものアイデアを採用する。
調べたい内容を自分事として捉え、実験結果に基づく考察も自分の言葉で書かせる。探究する心を育てようと主体性を生かす授業は、子どもの学ぶ意欲を高めている。「理科は頭を使って疲れる」と言われることもあり、「科学の楽しさをアピールしていくことも大事」と研さんを怠らない。
県総合教育センターで2011年度、長期研修員、17年度、専門研修員を務め、研究成果を「理科指導ポイント集」「授業案集」にまとめ、ウェブ上で公開した。
県小学校理科中核教員指導員を12年度から4年務め、各種理科教育研究会で講師として県内の教員に指導・助言し、指導力向上に寄与した。21年度から東部管内学力向上指導員。
前年度、理科教育の研修・研究による授業改善に貢献したとして県教委から公立学校等職員表彰を受けた。
斎藤市長への報告には川田知宏校長も同席し、思考力を高める授業の成果を強調した。遠藤教諭は「受賞を励みにますます精進し、子どもが探究する気持ちに灯をつけ、科学に関心を持たせたい。科学立国を支える人づくりに少しでも貢献できたらいい」と話した。
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