(546)よう生きてる大したもんよ亀の鳴く/山上樹実雄(1931~2014年)
季語には想像上のものがいくつかありますが、今回の「亀鳴く」もその一つです。一般的に亀は発声しないとされますが、春のうららかな水辺で、のんびりと口を開ける亀に鳴き声があると、古来俳人の想像力をかき立てたのでしょう。詠まれた時期からは作者晩年の感慨もあると思いますが、悟ったような表情の亀が「よう生きて…
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