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石巻市、復興財源ハード事業完了 釜大街道線・工業港運河線2道路が全線開通

全線開通を祝い、関係者の車両が通り初めをした釜大街道線(写真の一部を加工しています)
本格稼働した石巻中央排水ポンプ場

 石巻市が東日本大震災の復興事業で整備を進めていた都市計画道路「釜大街道線」と「石巻工業港運河線」が31日、全線開通した。両路線は大街道地区で南北に交差する新たな幹線道路で、災害時の避難や物流の円滑化が期待される。冠水対策の排水ポンプ場も同日、残っていた2施設が稼働。国の復興財源を活用したハード事業が完了した。

 釜大街道線は全長約3.6キロで、同市大街道東2丁目と同市門脇元明神を結ぶ。31日は両端部の計約1.7キロが開通した。国道398号を補完し、三陸沿岸道石巻港インターチェンジと産業エリアの接続性が向上。津波発生時は高台の日和山方面への避難道としても活用される。

 石巻工業港運河線は全長約1.5キロ。蛇田地区の国道45号と釜地区の臨港道路をつなぐ。31日は北北上運河に架けた橋を含む164メートルの区間が開通した。内陸方面への避難のほか、工業港からの物資輸送路にも位置付けられる。

 開通式が釜大街道線の新規開通区間であり、関係者約60人が出席。斎藤正美市長は「災害時には避難、救援ルートの役割を担う。水産産業、観光振興など地域の活性化にも大いに寄与する」と述べた。

 市内では同日、石巻中央と不動沢の両排水ポンプ場が本格稼働し、市内11カ所に新設した全施設が利用開始した。

 両路線とポンプ場の整備完了で復興交付金など国の復興財源を活用した市のインフラ事業が終了し、市は復興ハード事業を「完結」と位置付けた。一方で、震災の災害復旧事業や他の財源を使った「七窪蛇田線」や「中瀬公園」といった震災関連事業は2023年度以降も続く。

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