地域の声を積極採用 鹿又小、コミュニティ・スクール活況 親子で読書、会話増す
石巻市鹿又小(児童321人)で、学校運営に地域住民らが参画する「コミュニティ・スクール」(CS)の活動が話題となっている。2022年度、CSの発案で親子で本を読む「読書ウイーク」が設定され、親子の会話も増えた。6年生の卒業を祝うサプライズイベントを開催し、子どもたちを感動させた。浦山正幸校長は「地域とつながりのある学校づくりを進め、共に児童の成長を支えていく」と話す。
鹿又小は21年度にCSを導入。校長が作成する学校経営方針を承認する学校運営協議会はPTA会長や保護者、区長、木村民男元石巻専修大教授ら13人で構成し、防災教育、家庭、協働教育の3部会を設置する。
22年度に本格的に活動。児童が家庭で静かに本を読む「ノーメディア・読書デー」(毎週火曜)について、委員が「親も本を読んだら」と提案し、読書の秋に合わせて1週間(昨年11月)、家庭で親子が読書を楽しむ機会が実現した。
「久しぶりにゆっくり親子で読めた」「読み聞かせをした」「時間が取れず、難しいけれど、これから意識したい」といった感想が聞かれた。
読書は学力の土台をつくり、学ぶ意欲を高め視野を広げる。保護者が家庭で子どもと関わる時間は健やかな成長に欠かせない。浦山校長は「親子で本を読むと話題が広がり、会話も増える」と成果を説く。
創立150周年記念演奏会「冬のコンサート」(1月31日)を企画。東日本大震災以降、被災地で支援活動をする関東圏の3人がバイオリンやチェロ、電子ピアノなどで演奏を披露した。
6年生(57人)の卒業を祝うサプライズイベント(3月10日)は、石巻市の音楽家が電子ピアノで「さんぽ」などを演奏し、子どもたちは嵐の「ふるさと」を合唱した。保護者が手作りした浦山校長の顔写真とメッセージ入りのメダルが一人一人に掛けられた。
お世話になった先生たちのビデオメッセージのプレゼントも企画し、DVDの映像を1週間後に各クラスで上映した。
「CSは学校の応援団」と受け止める浦山校長は「地域と共にある学校。地域の教育力を生かした学校づくりを進めていく」と語っている。
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