(556)地震の話いつしか桃が咲く話/高野ムツオ(1947年~)
東日本大震災から4年後の飯坂温泉での作。作者を囲んで福島の俳句仲間との吟行会が行われ、私も一緒だった。吊(つる)し雛(びな)の飾られている休憩所で、お茶を飲みながら地震のときどうしていたかなどを話し始め、除染や避難による分断の話にもなった。この周りの果樹園が、木を水で洗う除染をしたことも聞いた。そ…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。