石巻若宮丸漂流民の会総会 函館でのシンポ決まる 小中学校での課外授業も
江戸時代後期に日本人として初めて世界一周した石巻の千石船・若宮丸乗組員の足跡を顕彰する「石巻若宮丸漂流民の会」は9日、東松島市野蒜市民センター多目的ホールで本年度総会を開催、10月7日に乗組員の一人・善六に関するシンポジウムを北海道函館市で開くことを決めた。
若宮丸(乗組員16人)は1793年に福島沖で遭難しロシア領に漂着。11年後の1804年、宮戸・室浜(東松島市)出身の儀兵衛、多十郎ら4人がロシア帆船に乗り世界一周する形で長崎に帰着した。帰国を希望せずロシアに帰化した一人が善六。日ロの対立が激化した1813年には幕府との交渉のためロシア側通訳「キセリョフ善六」と名乗り函館に上陸している。
善六シンポジウムは故国の地を踏んでから210年になるのを記念し、函館日ロ交流史研究会との共催で開催し、謎の多い善六の生涯に光を当てる。
石巻若宮丸漂流民の会事務局長の大島幹雄さんは「多くの人が善六への関心を持つきっかけになれば」と期待する。
総会には函館日ロ交流史研究会代表の倉田有佳さんも参加し「善六とはどういう人物だったのかを、函館の発展に尽力した高田屋嘉兵衛との関係など新しい視点から探りたい。石巻と函館のつながりも深めたい」と強調した。
シンポジウム当日は函館ツアーも計画、善六の上陸地「沖の口番所」や史跡などを訪ねる。
両会はこれまでも「善六研究会」と銘打って3回にわたり善六の足跡をたどってきた。シンポジウムは一つの集大成となる。
総会ではほかに会報50号記念号の作成、石巻地方の小中学校での若宮丸漂流民に関する課外授業などを決めた。
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