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水辺空間との接点増 石巻市、堤防上にあずまや4基設置 地区ごと独自デザイン

【不動地区】波をイメージした曲線が特徴的
【住吉地区】風、日光も取り入れやすいデザイン
【八幡地区】中央部を利用者が囲む形にした
【門脇地区】シンプルな三角屋根が目を引く

 石巻市が北上川河口部の堤防上に設置を進めていたあずまや4基が完成した。遊歩道を散策する市民に休憩場所などとして使ってもらう。東日本大震災の復興事業で防災、交流施設の整備が完了した水辺空間との接点を増やし、市民の憩いの場にしていく。

 あずまやの設置場所は地図の通り。右岸、左岸に2基ずつで、住吉、不動地区は石巻大橋下流、八幡地区は内海橋下流、門脇地区は市南浜マリーナ近くに置いた。それぞれ3月末までに設置を終え、利用を始めた。

 デザインは石巻工高建築科の生徒のアイデアを基にした。小学校などが近い住吉は子どもが円をつくるように座れる八角形にし、後方の壁を一部なくして日光が入りやすくした。不動は波をイメージした曲線で屋根やベンチを作り、壁の少ない開放的な設計にした。

 八幡は利用者が交流しやすいよう中央部分を囲むように座るデザインに。門脇は三角屋根など周りの風景になじむシンプルな形にした。石巻工高生は製作、設置作業にも携わった。

 斎藤正美市長は10日の定例記者会見で「堤防は散歩やジョギングなどで多くの人たちに利用されている。あずまやで休憩し、目の前に広がる北上川の雄大な景色を楽しんでほしい」と語った。

 市は震災前、歴史や自然を感じながら散策できる「いしのまき水辺の緑のプロムナード計画」に着手。震災後は国の堤防整備と連携して進めてきた。市河川港湾高規格道路整備推進課の担当者は「今後も市民の意見を聞きながらベンチや照明の設置を検討していく」と話した。

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