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「夢を生きる」、碑に テイラー基金、石巻・復興祈念公園で除幕式 米国の両親も

除幕した記念碑を前にするアンディさん(右)とジーンさん=16日

 石巻市内で外国語指導助手(ALT)を務め、東日本大震災の津波で犠牲になった米国出身のテイラー・アンダーソンさん=当時(24)=をしのび、市内の小中学校などに本棚を寄贈しているNPO法人テイラー・アンダーソン記念基金は16日、同市の石巻南浜津波復興祈念公園に活動の証しとして記念碑を設置した。

 記念碑は、礎石部分を含め高さ1.0メートル、幅1.2メートル。テイラーさんの顔写真と「Live Your Dream 夢を生きる」という文字を刻み、日本で英語を教えたいと思い来日したテイラーさんのように、誰もが夢を持って生きてほしいという願いを込めている。

 園内で開かれた除幕式には、関係者ら約100人が集まり、理事長を務めるテイラーさんの父アンディさん(65)と母ジーンさん(65)も出席した。アンディさんは「大切な人を思うということを共有できる場になるといい」と語った。

 津波で亡くなった3人の子どもがテイラーさんに教わっていた縁で本棚を手がける市内の木工業遠藤伸一さん(54)は「たくさんの人の思いがつながり、テイラー先生が大好きだった石巻に石碑を建てられたことに感謝したい」と話した。

 基金は「日米の懸け橋になりたい」というテイラーさんの遺志を継ぎ、2011年9月から小中学校など計29カ所に「テイラー文庫」と名付けた本棚を贈ったほか、両国の学生らの相互交流にも取り組む。

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