石巻かほく杯中学野球 石巻と桃生が決勝進出 29日に激突
第37回石巻かほく杯中学校野球大会(三陸河北新報社、河北新報社主催)の準決勝が23日、石巻市桃生球場であった。石巻が10-0で渡波・稲井・山下を破り、桃生は蛇田に1-0で競り勝ち、それぞれ決勝に進んだ。桃生は5度目、石巻は初の大会制覇を目指す。決勝は29日午前9時から桃生球場で行われる。
3位表彰が準決勝後にグラウンドで実施され、優秀選手には渡波・稲井・山下の渡辺裕月捕手(渡波・3年)と蛇田の野口裕雅投手(3年)が選ばれた。
準決勝
石巻 00253-10
渡波・稲井・山下 00000-0 (五回コールドゲーム)
(石)後藤、伊藤晃、阿部希-平居
(渡)浅野(稲)、佐々木慧(稲)、遠藤(渡)-渡辺(渡)
▽二塁打=後藤、杉浦、平居、伊藤晃(石)
【評】投打がかみ合った石巻がコールド勝ち。三回に2死二、三塁から暴投と後藤の右前二塁打で2点を先制。四回には打者一巡の猛攻で5点を追加した。後藤、伊藤晃、阿部希の継投もはまった。3校連合はわずか1安打で、反撃の糸口を見いだせなかった。
蛇 田 0000000-0
桃 生 000100×-1
(蛇)野口、高橋-白出
(桃)佐藤-皆口
【評】桃生が投手戦を制した。主戦佐藤が速球を主体にテンポよく投げ、1安打完封。打線は四回2死二塁で酒井が右前適時打を放ち、均衡を破った。蛇田は四球や失策で出た走者を得点圏に進めるも本塁を踏めず、好投する野口らを援護できなかった。
優秀選手
◇渡辺裕月選手(渡波3年)、3投手の長所生かす
渡波・稲井・山下の主将、捕手としてチームをけん引した。「合同チームで1勝できたことは大きな自信になった」と胸を張る。
速球派の主戦遠藤(渡波)、変化球を得意とする浅野(稲井)と佐々木慧(同)の3投手とバッテリーを組んだ。それぞれの長所を生かした配球で対戦相手に的を絞らせなかった。
課題は2試合とも無安打に終わった打撃面だ。「投球がそれても体で止めることは得意。後は打てる捕手になって、中総体では他のチームから強くなったと言われるようになりたい」と雪辱を誓った。
◇野口裕雅選手(蛇田3年)、計10イニングを力投
2回戦と準決勝でそれぞれ5イニングを投げた。「調子は良かったが、打たれてしまい悔しい」と大会を振り返る。
準決勝で戦った桃生は昨秋の新人戦でも2回戦で当たり、0-2で敗れた。
「相手主戦の左投手対策でテニスボールを打つ練習をしたり、外野の連携を強化したりしてきた。好機をつくることはでき、守備でも最少失点で抑えられたのは良かった」と話す。
中総体に向けては「投打どちらにも力を入れ、基礎からしっかり取り組む。チームとして打撃を強化していきたい」と前を向いた。
3校連合チームに山下から唯一出場
4強入りした渡波・稲井・山下の3校連合チームに、山下中唯一の野球部員として出場した阿部壱星(いっせい)外野手(3年)も、仲間と共に精いっぱいのプレーを見せた。
同市中里小時代は市内のスイミングスクールに通っていたが、山下中入学後、心機一転し野球に転向した。入部時から同学年がおらず、先輩が抜けた昨秋には一人きりの野球部に。平日はティー打撃や友人とのキャッチボール、土日は合同チームでの守備練習などで技術の向上に努めてきた。
部員の勧誘がうまくいかず、くじけそうになったこともあったが「純粋に野球が好きだから続ける」と、経験者との差を少しでも埋めようとひたむきに努力を重ねた。
22日の初戦(矢本一中戦)は出番がなかったが、23日の準決勝(石巻中戦)には1番右翼手で出場。相手の主戦に対し2三振に終わったが「変化球への対応など、課題を見つけることができた」と収穫も得た。
かほく杯の悔しさは中総体にぶつける。「もっとうまくなり、次は仲間を助ける存在になる」と意気込んだ。
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