熊本市民はハンバーガー好き 22年の世帯購入額全国1位 関係者もびっくり、理由不明
熊本市はハンバーガーの街? 総務省の2022年家計調査によると、熊本市の1世帯当たりのハンバーガー支出額は年間8581円で、都道府県庁所在地と政令指定都市を合わせた全国52都市の中で1位だった。熊本日日新聞のSNSこちら編集局(S編)取材班は、理由を求めて関係者に取材したが…。
金額は外食費としての支出額で、熊本市は20年も6869円で5位、21年も7207円で4位と、連続して上位入りしている。20~22年の平均でも7552円と全国1位で、全国平均より2千円強多い。ちなみに22年の熊本市のラーメン(中華そば)支出額は年間5739円。ハンバーガーがラーメンを3千円近く上回っている。
同じ調査で100世帯当たりのハンバーガー購入頻度を見ると、熊本市は22年に前年より123回増えていた。ただ、頻度は全国5位以内ではないことから、1回当たりの購入額が高い傾向にあると思われる。
関係者に結果を伝えると、次々に驚きの声が。
移動販売を手がけ、熊本市のイベントにもたびたび出店する「たっくんバーガー」の今泉拓真さん(26)=玉東町=は「初めて聞いた」。30~40代の主婦が家族分を購入するケースが多いことから「(新型コロナ禍でも)非接触で手軽に外食を楽しめるので、お出かけついでにドライブスルーを利用する人が増えたのかもしれない」と推測した。
全国にファンがいる熊本市南区の人気店「リーフバーガー」の西村洋介さん(42)も「熊本は九州でもハンバーガー専門店が少ない県なのに」と首をひねる。今泉さんと同様に「大手チェーンのドライブスルーの売り上げが他地域より伸びたのでは」とした。
モスバーガーを展開するモスフードサービス(東京)によると、ドライブスルーの利用率は店内利用を上回り、全体の売り上げを伸ばすきっかけになっているが「熊本だけでなく全国的に見られる傾向です」(同社広報)。同社は熊本県内の複数の店舗責任者にもヒアリングしてくれたが、「共働きが多く外食やテイクアウトが盛んなイメージ」といった声が上がる程度で、はっきりとした要因は分からなかった。
マーケティングや流通が専門の吉川勝広・熊本学園大学教授も「要因は分からない」。ただ、熊本市は他地域と比べ、駅や商業施設よりも郊外の幹線道路沿いの店舗が充実している印象があるとし、「敷地も広く車を利用する家族連れを引き込みやすいのかもしれない」との説を示した。(熊本日日新聞・田中慎太朗、東有咲)
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