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(571)永き日の鐘と撞木(しゅもく)の間かな/小笠原和男(1924~2016年)

 寺の梵鐘(ぼんしょう)は古くは時刻を知らせる役目を果たしていたが、今では寺によって撞(つ)く時間はまちまち。この鐘を俳句に詠むときは、除夜の鐘など撞かれて音の鳴る様子が描かれるのが普通だ。しかし掲句は「鐘と撞木」が静止して無音、しかもその二つの物の「間」の虚空に眼目を置く。この世界の形ある一切のも…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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