(571)永き日の鐘と撞木(しゅもく)の間かな/小笠原和男(1924~2016年)
寺の梵鐘(ぼんしょう)は古くは時刻を知らせる役目を果たしていたが、今では寺によって撞(つ)く時間はまちまち。この鐘を俳句に詠むときは、除夜の鐘など撞かれて音の鳴る様子が描かれるのが普通だ。しかし掲句は「鐘と撞木」が静止して無音、しかもその二つの物の「間」の虚空に眼目を置く。この世界の形ある一切のも…
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