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街の青春の道しるべ、これからも 名駅のナナちゃん、4月28日で「50歳」

 1973(昭和48)年に名駅の名鉄百貨店前に設置され、28日に50歳の“誕生日”を迎えたナナちゃん人形。本紙「ユースク」で思い出やメッセージを募集すると約50件寄せられた。友人、恋人との待ち合わせや、初めての名古屋にワクワクした気持ち―。ナナちゃんと共にある記憶の一部を紹介する。(中日新聞・城石愛麻)

セールの時 そろいの法被 稲沢の馬場さん

夏のクリアランスをPRするため、勢いよく鼻息を吹き出すナナちゃん=2016年6月

 1988年、名鉄百貨店に入社し、配属されたのが当時のセブン館でした。出入り口付近で担当する売り場のイベントがあると、ナナちゃんの姿が目に入ってきました。当時は今ほど頻繁に衣装が変わることはなく、白い体のまま立っていた印象が残っています。

 セブン館のセールがあると、ナナちゃんが従業員と同じ法被を着ていました。外国人観光客におすすめの観光スポットとして教えたこともあります。逆に観光客とみられるお客さんから「大きな人形があると聞いたけどどこ」と聞かれたことも。仕事終わりには、会社の仲間とナナちゃんの足元で待ち合わせして、レジャックへ飲みに出かけたものです。

 会社は六年ほどで退職。今も気になる衣装を着ている時には見に行きます。セールの時に鼻息が出るなど昔はなかった機能も面白い。セール最終日に鼻息が出る瞬間を動画に収めていたら、あまりに大量の噴射がおかしくて、集まった人たちみんなで笑いながら拍手しました。 =愛知県稲沢市の主婦馬場幸江さん(55)

お洒落な祖母と買い物 思い出 名古屋・中村区の福田さん

ジャンボ水着を着たナナちゃん=1994年6月

 35年ほど前、名古屋駅近くで祖父母が公衆浴場などを経営していました。祖母は一緒に住んでいた私が幼稚園から帰ると、毎日のように名鉄百貨店に連れて行ってくれました。その時に目にしていたのがナナちゃん。足の下をくぐって遊んだこともあります。

 名鉄百貨店では、お洒落な祖母が洋服を買うのに付き合ったり、2人でお茶をしたり。ナナちゃんの近くで祖母が美しい歩き方を見せてくれたことがあり、今も時々まねしています。

 それからも名古屋駅に行く時に一緒だった祖母は、私が高校生の時、病で亡くなりました。その後、足が遠のいていましたが、大学生になって久しぶりに訪れると、ナナちゃんは幼い時より、小さく見えました。

 今でもナナちゃんを見ると、かわいがってくれた尊敬する祖母を思い出します。祖母の命日は4月29日。この時期は特に、祖母と名駅に行った思い出がよみがえります。名古屋の歴史を物語るナナちゃん、ますますの活躍を楽しみにしています。 =名古屋市中村区の教育支援業福田幸奈さん(40)

名古屋で遊び 目印にした 常滑の女性

 携帯もポケベルもなかった30年以上前。中学生だった私は初めて、当時住んでいた岡崎市内から電車で友達と遊びに名古屋へ行き、名鉄前のナナちゃんを見て、「都会ってすごいなー」と驚いたことを思い出しました。

 迷わないように、前もって地図で行きたいお店の場所とナナちゃんの位置を覚え、到着後はナナちゃんを頼りに目的地の方角を目指しました。

 そんな私も今は45歳に。高校2年生の長男(16)が小学生の頃に英検の受検のため初めて名古屋に行った日、「受検会場は改札を出たらナナちゃんの前を通って行ってね」と教えたことを鮮明に覚えています。

 私の青春はナナちゃんと共にありました。今でもナナちゃんのニュースを見ると気になってしまいます。2021年のお化粧直しの際、代わりに置かれた小さな妹のミナちゃん人形も見に行きました。ナナちゃん、これからもずっと愛知県民に元気を届けてね! =愛知県常滑市の女性会社員(45)

元恋人と待ち合わせ…今は旦那さん 竜ユニホーム印象的

 ◇…高校時代に付き合っていた男性と卒業と同時にお別れ。卒業から1年後の1988年ごろ、久しぶりに会うことになり、待ち合わせをした場所がナナちゃん人形でした。今は待ち合わせが必要ない、旦那さんになっています!  =岐阜県各務原市の主婦伊藤麻希さん(53)

中日ドラゴンズの優勝マジックボードを持つナナちゃん=2004年9月

 ◇…学生時代の待ち合わせはナナちゃんの下でした。印象に残っているのは大好きなドラゴンズのユニホーム。リーグ優勝が近づいた2004年、ナナちゃんがユニホームを着ているとテレビで知り、友人と見に行きました。懐かしい。今後も名古屋、名駅を見守って、明るく照らしてほしいです。 =名古屋市昭和区の主婦大橋里奈さん(52)

 ◇…一つ年上の「先輩」で子どもの頃からなじみのあるナナちゃん人形。2021年のお化粧直しは、テレビで生中継を見ていました。(修繕のため)京都まで移動していたのは圧巻。世代を超えた名古屋のシンボルとして、今後も活躍してほしいです。 =愛知県東海市の信金職員鈴木克彦さん(48)

 ◇…名鉄栄生駅から歩いて15分ほどの家電工場で勤務していた40年以上前、仲間と飲み会の際にナナちゃん前で待ち合わせた良き思い出があります。名鉄レジャックがなくなるのは寂しいですが、ナナちゃんにはいつまでも若々しく親しまれる存在であってほしいです。 =岐阜県可児市のパート堀江次郎さん(78)

 ◇…私も4月二28日で50歳。新聞で読むまで同じ誕生日とは知りませんでした。ナナちゃんは、飲食に出掛ける際や、深夜スキーバスに乗るための待ち合わせ場所としていました。ゴールデンウイークに会いに行ってみようと思います。 =愛知県東海市のパート竹下珠美さん(50)

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