閉じる

語り部から防災学ぶ 東松島・震災復興伝承館、 石巻・震災遺構「門脇小」

公開ガイド、体験伝える

自身で作成した地図をもとに当時の状況を語る佐藤さん

 東松島市野蒜の市震災復興伝承館で4月26日、東日本大震災の体験を伝承者が語る第12回公開語り部ガイドがあった。宮戸の植物を守る会会長の佐藤康男さん(88)=東松島市宮戸=が、自身で作製した地図を使いながら同市宮戸大浜からの避難行動とその後の避難所生活について語った。

 避難した宮戸小学校で地域の人たちと団結し、助け合い、生き延びた。佐藤さんは「普段は競争する人も目的が一つになると団結する。日常がいかに大切なものか、そして私たちは自然に生かされているのだということを伝えていきたい」としみじみと話した。

 公開語り部ガイドは震災の伝承活動や防災教育に取り組む同市の市民グループ「SAY’S(セイズ)東松島」が主催。代表の山形嘉恵さん(55)は「話を聞くだけでなく、伝承者同士が学び合うきっかけの場ともなってほしい。温かい交流の場として続けていきたい」と話した。

 セイズは5月7日まで奥松島縄文村歴史資料館の交流館で漫画家の井上きみどりさんの伝承漫画作品展を開いている。

   ◇

「話を聞く会」を定期開催

 石巻市の東日本大震災遺構門脇小(石巻市門脇町4丁目)は、本年度も「語り部の話を聞く会」を定期開催する。計6回の予定。入館者に震災体験者の声から、津波の恐ろしさや生きるための教訓を伝える。

 本年度の初回は14日午後2時から。語り部を務めるのは震災当時、門脇小校長だった鈴木洋子さん。当時の避難を実際の避難行動に沿って伝える。門脇小が取り組んできた防災教育についての話もある。

 今後の開催予定は7月16日、8月13日、9月17日、11月19日、来年1月21日で、事前に申し込む。定員は46人。参加無料だが入館料が別途必要。大人600円、高校生300円、小中学生200円。月曜休館。

 連絡先は市震災遺構指定管理グループ0225(98)8630。

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ