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福祉施設と連携 太陽光発電システムのセラウェーブ、パネル洗浄で協業 東松島

洗浄作業を体験するデモンストレーションの参加者

 太陽光発電システムの販売・施工を手掛け、東松島市赤井鷲塚の耕作放棄地でメロン栽培に取り組む「セラウェーブ」(東京)は、障害者福祉施設などと連携した太陽光パネルの洗浄サービス「Sera P(セラピー)」を始める。洗浄による発電量の回復で再生可能エネルギーの安定供給につなげると同時に、業務を委託する障害者の労働賃金の向上を目指す。

 同社によると、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)が2012年に導入されて以降、全国的に太陽光発電事業が増大したが、微小粒子状物質(PM2.5)や黄砂、花粉などの汚れによる発電量の低下が問題になっている。状態にもよるが、パネル表面を洗浄することで5~10%ほどの回復が期待できるという。

 同社が障害者との協業に乗り出したのは、働く障害者を支援するNPO法人の関係者からの相談がきっかけだった。当初はメロンの水耕栽培で業務委託を考えたものの早朝の作業などは実現が難しく、太陽光発電設備周辺の草刈りの委託を始めた。

 パネルの洗浄は作業にかける時間や日程を調整しやすく、草刈りに比べて季節を問わず実施できる。そのため同社が元々手がけていた洗浄サービスでの協業を考えた。

 4月24日に市内にある同社の太陽光発電設備で洗浄作業のデモンストレーションが行われ、社会福祉法人などの関係者ら8人が参加した。同社の社員が高圧洗浄機などでパネルを洗浄し、参加者も体験した。

 石巻市の社会福祉法人石巻祥心会の麻喜圭二さん(49)は「作業の難易度は高くなかったので一度体験に来たいと思った。仕事を増やし、利用者の工賃を少しでも上げたい」と話した。

 同社の高橋実代表取締役(69)は東松島市出身で、東日本大震災後に東松島支店を構え、県内でも太陽光発電設備の施工販売を手掛ける。

 障害のある子どもを持つ社員が多く、障害者に支払われる労働賃金や、雇用率と企業の受け入れ体制などに対する社員の問題意識が高いという。高橋代表取締役は「洗浄サービスの協業を障害者の方の賃金アップにつなげ、県内で成功事例をつくって全国へ広めたい」と話す。

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