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大人不在でも迅速避難 女川小中、大津波警報想定し合同訓練 下級生を安全に誘導

下校時に地震が発生した想定で、役場周辺で身を守る行動を取る児童

 女川小(児童214人)と女川中(生徒101人)は下校時の災害を想定した合同避難訓練を実施した。合同の訓練は3年目。中学生と小学校高学年が下級生に身を守る手段を教えたり、安全な場所に誘導したりと有事の際の行動を伝え、共有した。

 訓練は4月21日に行われた。下校時に震度5強の地震が発生し、大津波警報が発令されたとの想定で行われた。午後3時30分に町の防災行政無線が地震発生を知らせ、大津波警報の発令と避難が呼びかけられた。

 放送を聞いた児童生徒はその場にしゃがんで低い体勢を取ったり、ランドセルやバッグなどで頭を守ったりした後、高台にある災害公営住宅や役場などに向かった。

 今回は事前に、子どもたちが地域ごとに集まって顔合わせや避難経路を確認。災害発生時に近くに大人がいない場面でも行動できる体制を整えた。

 女川中3年の樋口匠さん(14)は「小学生に地震の怖さをしっかり伝え、もしもの時は落ち着いて行動させたい」と話し、女川小1年の安達乃彩さん(7)は「友達や先輩たちが一緒にいると安心する。危ない所には近づかないようにする」と気を引き締めた。

 熊谷雅幸校長は「町全体が訓練に協力してくれるのはありがたい。子どもたちも危機意識が高く、これからも地域で防災教育に取り組みたい」と話した。

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