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津波教訓伝承で連携を 和歌山「火の館」がサルスベリ寄贈 「大川小」に植樹

ともだちの樹を植え、根元に土をかける崎山館長(右)ら

 東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が犠牲になった石巻市震災遺構「大川小」の敷地内に4日、和歌山県広川町の津波防災伝承施設「稲むらの火の館」のサルスベリが寄贈され、植樹された。津波の教訓伝承を目的とする施設同士で連携し、交流を深めることが狙い。

 火の館は1854年の安政南海地震津波を伝える。サルスベリは施設が建つ前から敷地内に生えていたという。

 植樹には両施設や市の関係者ら約20人が参加。高さ約2.5メートルの木を男性6人がかりで車から下ろし、「大きくなあれ」と声をかけながら参加者全員で根元に土をかけた。

 木は「ともだちの樹」と命名された。「木と友達になって語りかけてほしい」「志を立て、自身の足で立ってほしい」などの願いを込めたという。火の館の崎山光一館長は「(大川小と)手を取り合って津波防災を全国へ、世界へ発信したい」と話した。

 木を管理するおおかわガーデン事務局の鈴木典行さん(58)は「たくさんの遺族や子どもが集まり、笑顔があふれる場所にしたい。植樹していただいた思いを大切にして育てていきたい」と語った。

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