閉じる

(585)朝蟬よ若者逝きて何(な)んの国ぞ/金子兜太(1919~2018年)

 風景を美しく描写する俳句がありますが、人間の思いをストレートに、強く打ち出すものもあります。戦争か、貧困か、絶望が理由なのか、しかし若者が死んでしまってなんの国だろうか、という深い嘆きと怒りです。蝉(せみ)は夕方から夜にかけて羽化し、気温の上昇や光を受けて鳴き始めます。朝蝉は生まれて初めて出す声、…

関連リンク

秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

ライブカメラ